憂愁ミッドナイト

眠れない夜に

アルカホリック

嫌なことがあるとつい酒を飲みたくなってしまう。こういうところがアルコール依存症になりかけていた学生時代から、年に数回しか飲まないようになっても変わらないなと思う。

 

酒を飲むたびになぜ人はこんな不味いものを好んで飲むのだろうと思う。それなのに、酒を飲んだ時の脱力した感覚が好きで飲んでしまう。呑まれてしまう。濁流に呑まれるような感覚は快感すら覚える。こういう時に、人は宗教にはまるのかもしれない。

 

築き上げるときは時間がかかるのに、堕ちるときはいつだって一瞬だ。

 

 

いくら性格がいい人であることを諦めていても、自分の醜さみたいなものを突き付けられると自分に疲れてしまう。自分から逃げ出したくてたまらなくなる。どこに行っても自分からは逃げられないのに。

 

オフィス街で職場に向かう人たちの群れの中に交じっていると、自分は大丈夫だと思える。この人たちは行く場所があり、帰る場所がある人たちだ。自分もその中の一員なのだと安心できる。群れの中に交ざって泳ぐ魚みたいだ。

 

自分は大丈夫、と思いながら生きてないと本当に大丈夫じゃなくなりそうで怖い。一日一食も食べないくせに酒を飲みたくなった時だけは着の身着のままで外に出てきてしまう女の何が大丈夫なんだろう。もうとっくに大丈夫じゃないのかもな。春風に頬を撫でられながら、そんな風に思った。

 

最近、毎晩夢を見る。

夢の内容は思い出せないけど、夢の中で焦っていたことだけは覚えている。明日、朝目が覚めなければいいなと思うけれど、きっといつも通り覚めてしまうのだろうから、せめて嫌な夢だけは見ないといいな。