憂愁ミッドナイト

眠れない夜に

都会の喧騒と孤独

東京にはこんなに人がいるのに、孤独だなと感じる時がある。人が多いからこそ、それなのに知っている人が少ないことが、孤独をより際立たせるのかもしれない。

 

コミュニティに所属することが苦手だ。

どこかのコミュニティに所属して、そこで居心地がいいと思った経験がない。小学校の頃からずっと人間関係が上手くやれていないような気がしている。

 

唯一楽しかったのは予備校の時だった。予備校には同じ学校の子たちがたくさん通っていた。クラスでは話さない子とも、予備校ではうっすらとあるスクールカースト関係なしに仲良くなれたような気がした。放課後、結んでいた髪を解いてリップを塗り、大森靖子の曲を聴きながら予備校に行く時間が一番好きだった。

 

予備校には、特に仲良い子が3人いた。

同じ偏差値帯の大学を目指していたので、友達が自分よりいい成績をとるともっと頑張ろうと思えた。ライバルのようないい関係を築けていたと思う。

 

結局、受験の関係で彼女たちとは疎遠になってしまった。彼女たちは私の代わりに他の子を迎え入れ、新たな4人組を形成していた。卒業後も定期的に会っているらしい。インスタグラムで写真が流れてくるたびに胸が小さく疼く。

 

予備校の話が一番象徴的ではあるが、どこの集団に属してもその中で上手に立ち回れたことがない。だから大学ではサークルに入らなかった。職場の人とは深煎りしないような関係を心掛けている。

 

それでもやっぱり淋しいと思う時がある。みんなが当たり前に持っている安心できる居場所が少ないことが恥ずかしいし、不安にもなる。きっと田舎に住んだらその人間関係の濃さにうんざりするのだろうけど、田舎にいた頃が少し懐かしくもなる。そんなことを思いながら、今日も明日も人が行き交う街の中をひとりで生きていく。